これでカルマ(業)が終わったのだ

利口そうな女性で、私を観察していましたね。この「天下をとる」という発言が、のちに世界最高の教えを成就した私がヒマラヤ大聖者となり、世界初の女性、また外国人として、《宇宙の母》であるマハ・マンダレシュワルの称号をいただくことにつながるとは。当時は思ってもみなかったことです。

また、もっと小さい時には行者さんが訪ねてきて、その時私に「水難の相がある」と言ったそうです。母が言うには、でも行者さんに浄めてもらった、だから大丈夫だと。

後に渡米した時、私はホテルのプールで危うく溺れそうになります。その時、「水で死ぬ」と言われたことを思い出し、これでカルマ(業)が終わったのだと知りました。

またある時は、ある取材に協力して水中でヨガのアーサナ(坐法)をしました。私は泳げないのですが怖さはなく、酸素ボンベをつけてスーッと魚のように5メートル下まで潜り、またスーッと戻ってきたのです。水を克服した、不思議な体験でしたね。水上コテージの部屋で昼寝をした時に、深海を泳いでいる夢を見たこともあります。綺麗な水がどこまでも広がって、その美しさに息をのむほどでした。

私は深い瞑想中に、水や空など澄んだ光景をよく見たり、空を飛んだり、家の天井を飛び回ったり、水中を泳いでいるのです。水の元素や空の元素が自分の中にあり、それらが浄まってサットヴァという純性なエネルギーとなりパワーをいただき、軽くなり自由になっていることがわかります。水難の相を乗り越え、今も元気に生きていることに感謝したいと思います。

『慈愛に生きる-ヒマラヤ大聖者 相川圭子自伝』(著:相川圭子/中央公論新社編)