氣志團万博出演へ

それからまた10年以上経ったある日のこと。ジャガーにとって、まさに夢のような話が舞い込んできた。

氣志團の綾小路 翔くんから、彼が主催している巨大音楽フェス「氣志團万博」のオープニングアクトに出てもらえないかという打診が来たのだ。そしてそれが発表されるや、YAHOO!トップページの「話題なう」に「氣志團万博 あの人が」と出るなどたちまち話題となった。

2017年9月16日。あいにくの小雨模様の袖ケ浦海浜公園。

メインステージに立ったジャガーのすぐ背後には、地球の故郷である長浦の山々と、そして目の前には、小さな頃から泳いで育った東京湾の遠浅の海が広がっている。それらに取り囲まれるようにして集まってくれた数千人の観客たち。

左は氣志團万博で着用したマント、暖簾は翔くんからのプレゼント。ジャガーの楽屋にサプライズでかけてあった。翔くんからもらった手紙も一緒に飾っている(写真『ジャガー自伝』より)

数十年前、ジャガーはあの長浦の山に挟まれた家で、せっせと工作ばかりしている少年だった。今自分が立っている場所も当時はまだ遠浅の海の一部で、本当に鄙びた漁村だった。

そこから何千、何万という数の千葉県民によってバトンが渡されてきて、ここは公園となり、今、ジャガーはそこに組み上げられたステージに立っている。