この瞬間のためにジャガーは生きてきたのかもしれない

『だまってJAGAURにちゃんとついて来い!』に続いて2曲目となる『ファイト!ファイト!ちば!』を歌っているとき、ふと潮風が頬をなでた。千葉が応援してくれている。

この瞬間のためにジャガーは生きてきたのかもしれない。

「ただいまより、『氣志團万博2017 〜房総与太郎爆音マシマシ、ロックンロールチョモランマ〜』を開会します! 出演者代表、ジャガー!」

歌い終わってシャウトすると、氣志團が登場して、会場は再び興奮と熱狂に包まれた。まさに天地を揺るがす大歓声だ。

きっとその時の歓声が地球の奥深くまで届いたのだろう。氣志團万博出演からちょっとして、市原の養老川沿いで地球の地磁気が逆転していたことを示す大変貴重な古い地層が見つかり、その年代を国際的に「チバニアン」と呼ぶことが正式に決められたのだ。

ついに千葉が世界デビュー。

めでたい出来事に千葉県は再び大歓声と興奮に包まれることになったのだけど、やっぱり千葉にはそういう変わった磁場が働いていたのかと、一方で納得をせざるを得ない。

※本稿は、『ジャガー自伝』(イースト・プレス)の一部を再編集したものです。


『ジャガー自伝 みんな元気かぁ~~い?』(著:ジャガー/イースト・プレス)

何よりも千葉を愛し、誰よりも千葉に愛された男の一生。なんでも自分で作ってみる。やってみればできないことなどなにもない。大丈夫だよ、といつも歌っていた。「洋服直し村上」のおばちゃんたちを従え、衣装もスタジオも住居も自ら作り、音楽も録音もライブもCD制作もPVもTV番組も、すべてDIYでやっていた男の人生は千葉の戦後史そのものだ!