明→暗への移動ですぐ目が慣れないのは

明るいところから急に暗いところに入ると、最初は何も見えないのに、徐々にものが見えるようになってくる。このことは、誰もが経験的に知っているはずだ。

この現象を「暗順応」と呼ぶ。主に働く細胞が、錐体細胞から桿体細胞にゆっくりと切り替わるのである。

逆の経験もあるだろう。暗いところから急に明るいところに出ると、最初はまぶしくてものが見えにくいが、徐々に普段の見やすさを取り戻す。

これは、「明順応」と呼ばれる現象だ。暗順応と逆の作用が起こっているのである。

明順応と暗順応は、完了するまでにかかる時間が大きく異なる。明順応は約五分とすみやかに起こるが、暗順応は三十分ほどかかるのだ。