「今村翔吾のまつり旅」

直木賞を獲ったら絶対にしようと決めていたことがあります。それが、「今村翔吾のまつり旅」。応募をいただいた書店や学校、児童クラブや社会福祉施設などを訪れて、現地の方と交流しながら47都道府県をめぐるという企画です。

「今村翔吾のまつり旅」ラッピングカー

賞をいただく前から計画だけは練っていて、いつでも実現できるように準備していました。すでにたくさんの応募をいただいています。うちの店でご飯を食べて行ってください!なんてご依頼もあって。(笑)

なぜこんなことをするのか。大きな目的は、僕の本を売ってくださっている書店への恩返しです。出版不況の中、読書好きのため、地域のために頑張っている小さな書店さんはたくさんあります。そうした書店があるからこそ、本と読者の出合いが生まれると僕は思っています。

箕面駅周辺唯一の書店で、廃業間近だった「きのしたブックセンター」の経営を引き継いだのも、そうした思いからです。この本屋さんがなくなったら、ここで本と出合った人の思い出の場所がなくなってしまうことになる――。それはさみしいな、と思ったのがきっかけです。もともと、中小企業診断士という職業に憧れた時期もあったので、経営に関してはみなさんの想像以上にしっかりやっていますよ。(笑)

きのしたブックセンターで。今村さんと書店員さん