101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活 のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「 簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがい っぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社) から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
<100歳の100の知恵 43>
『実に適当。私流のホワイトソース』
夫を見送った後、友人夫婦がヨーロッパ旅行に誘ってくれたことがあります。
そのときにパリで食べた「新ジャガのグラタン」のおいしさが忘れられず、自分なりにアレンジしてみました。
新ジャガは五ミリほどの厚みのいちょう切りにし、サラダ油でちょっとこげ目がつくようにフライパンで焼き、やわらかくなったら、バターをひいたグラタン皿に並べます。
これに少量のホワイトソースをのせ、溶けるタイプのチーズをたっぷりかけて、焼けばできあがり。ひとり暮らしなので天火は使わず、オーブントースターで焼いています。
私のホワイトソースの作り方は、実に適当です。特徴は玉ねぎのみじん切りを入れること。ダマにならず失敗もありません。
まずバターとサラダ油を半々に使い、玉ねぎのみじん切りを炒め、そこに小麦粉を入れて玉ねぎにからませ、牛乳を加えてとろ火でかき混ぜるだけ。薄く塩味をつけて、小分けして冷凍しておきます。
ひとり暮らしだと、ホウレンソウを一束買うと食べ切れません。そんなときはゆでたホウレンソウをホワイトソースと混ぜて、器に入れてチーズをふりかけてオーブントースターで焼くだけで、あつあつのグラタンがいただけます。