「実は忙しすぎて、更年期を自覚することも、閉経がいつだったかも覚えていないんです。」(安藤さん)

薬やサプリメントを活用するのも良案

安藤 70代の私は、完全に「アフター更年期」ですが、体の変化のひとつが声。ザラついて低くなり、高い音域が出なくなりました。それで女性ホルモンの量を調べてもらったら、「おじさん以下です」と。(笑)

高尾 それは安藤さんだけでなく、みなさんゼロに近くなるんですよ。男性は主に、脂肪や副腎から女性ホルモンを作っているので、年をとっても分泌量はそんなに変わらない。でも女性は、主に卵巣で女性ホルモンを作っていますから、閉経で卵巣の機能がストップすると、ほぼ分泌されなくなるのです。

安藤 そうなると、どうなってしまうんですか?

高尾 女性ホルモンのエストロゲンは、生殖器だけでなく、血管、骨、脳、筋肉、消化器系の臓器にも関わり、それらの機能をサポートしています。その恩恵にあずかれなくなる更年期以降は、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病、骨粗鬆症などの病気のリスクが上がる。どの症状が出るか、人によって異なるのも難しいところです。

安藤 私は過去の反省から、不調を感じたらすぐに病院で検査を受けるようにしています。

高尾 すばらしい。みなさんもそうしてほしいですね。ほかの病気が不調の原因だったというケースもよくありますから、自己判断せず、正しい診断と適切な治療を受けることが大切です。