音楽への道のスタート

自分が何に向いているのかよくわからずもやもやしていた高校2年のある日、母が劇団四季の『オペラ座の怪人』に僕と弟を連れていってくれました。母と弟はもともとミュージカルが大好きでしたが、僕は興味がなく、初めての観劇でした。

歌って体を動かして、観客を感動させるミュージカルに触れたあの日。まさに衝撃を受けました! これだ!とひらめいたんです。その帰り道、「僕はミュージカル俳優になる」とはっきりと母に宣言していました。(笑)

ーー高校2年の音楽の授業で、当時の音楽教師から声質を褒められ、歌がうまいと言われたことも思い出した、という佐賀さん。しかし、音符も読めない佐賀さんがいきなり「ミュージカル俳優になる」という夢に近づくには、まず基本を身に付ける必要があった。

とりあえず声楽とバレエを身に付けようと思いました。母の知り合いの学生さんから声楽を教わり、ちょっと恥ずかしかったけど、バレエも習い始めました。

 高校2年生のころ、バレエの発表会で「くるみ割り人形」を踊る

実はこのバレエ、いきなり高校2年生の男子が一から始めるということで、片っ端から入門を断られたんです。そりゃそうですよね。17歳の素人の男子が、どうしてバレエを習いたがるのか、どう考えてもあやしい!(笑) 6つ目のバレエ教室でようやく入れてもらえて、ホッとしました。