恵まれた身体能力と強すぎる正義感!

ーー右半身不随から10ヵ月で驚異的な回復を見せた佐賀さん。持って生まれた身体能力と自分を鼓舞する強靭な精神力が、その背景になっていることは間違いない。インタビューの最中も時折、「僕、ちゃんと話せてますか?」「変じゃないですか?」と確認しながら進める佐賀さん自身が、誰よりもその回復力に驚いているのかもしれない。

僕は京都で生まれて、高校まで関西で育ちました。子どものころから体を動かすことが大好き。小学校の時から、持久走も記録を出していたし、水泳大会では京都市で2位。作文を書けば最優秀賞、なにかイベントがあれば中心になって動く。やることなすこと何でもうまくいくと思い込んでいました。

9歳の頃、法然院お花祭りでの佐賀さん(右) (写真提供◎佐賀さん 以下同)
6歳の頃、弟さんと祖母の家の前で遊ぶ佐賀さん(右)
小学校4年生の頃、児童会長として優勝旗を持って

自分でいうのもなんですが、正義感が強く曲がったことは大嫌い。中学生になると厳しい校則に反発して学校を欠席するという自分なりのストライキ行動に出ます。そして生徒会長に立候補。仲間たちの応援演説を得て見事当選しました。

高校に入学してからも、担任の先生がごく小さなミスをごまかしたことをどうしても見過ごせず、やはり学校を長期欠席するなど、自分の価値観から外れたことに対して、やや寛容になれないこともありました。

サッカー少年だった僕ですが、プロにはなれないと知るとサッカーへの情熱を失い、自分は何のために生きているのか、など哲学的な模索をするために、たった一人で自転車旅行に出たこともありましたね。母は、そんな僕を決して否定せずにいつも見守ってくれていました。そういえば休んでいるときも学校へ行けとも言わなかったですね。今にして思えば大物なのかもしれません。(笑)