「大型トラックのタイヤに当たった感じ」

横綱・照ノ富士は、膝の状態が悪化して、5勝4敗で10日目から休場。膝の悪化が取組から分かり「土俵入りだけお休み」という前代未聞のことはできないかと私は考えた。

大関・正代は9日目に負け越して来場所はカド番で4勝11敗で終わった。足首が悪いとか言われたが、本当のことは発表されなかった。

御嶽海はカド番を脱出できず11日目に大関陥落となり4勝11敗。来場所は関脇となり10勝すれば大関に戻れるのだが、以前に痛めた肩が悪いようだ。

先場所優勝して期待した小結・逸ノ城は負け越した。期待の前頭13枚目・王鵬が千秋楽で負け越したのも残念だった。

十両では、新十両の14枚目・栃武蔵が11勝4敗で優勝し、同じく新十両の12枚目・カザフスタン出身の金峰山が10勝5敗で勝ち越している。二人ともどんどん上がって行くだろう。

残念だったのが、新型コロナウイルスの日本相撲協会が決めたコンプライアンス違反で幕下まで落ちた元大関の朝乃山。幕下15枚目で今場所全勝すれば十両に上がる望みがあったが、幕下28枚目の勇磨に土俵際で突き落とされて負け、6勝1敗で終わった。

ところで、7日目にNHKテレビの大相撲放送の企画「教えて!北の富士さん」が面白かったが、延長戦として10日目に「力士にぶつかるのはどんな感じなのか?」という質問が取り上げられた。北の富士さんと向正面解説の安治川親方(元関脇・安美錦)は、幕内の力士とのぶつかり体験から「大型トラックのタイヤに当たった感じ」と話していた。厳しい世界だ。だから、幕内にたどり着く頃には満身創痍になってしまうのだろうか。それを考えると玉鷲は、「健康の秘訣公開セミナー」の講師になって欲しいほど丈夫に見える。

私や70歳以上のスモ友(相撲ファンの友人)は、なんらかの病を抱え、手首や膝にサポーター、腰に湿布をしている。特に今場所は台風が来たこともあって痛みがひどくなるなかで、力士を応援していた。

照ノ富士の膝が「横綱相撲」が取れるように治って欲しい。そして、正代がカド番を脱出し、御嶽海が10勝して大関に復帰し、貴景勝と優勝争いをする。今や忘れられた「大関相撲」が見てみたい。

秋晴れの中千秋楽を迎えた両国国技館(写真◎AC)

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