高年齢者就業確保措置が企業の努力義務に
定年後も働くことが当たり前になってきているのは、少子高齢化で財政状況がひっ迫するなか、国が働き続けることを促す方向へと政策を転換していることも影響している。
2021年4月に施行された高年齢者雇用安定法では、現状義務化されている65歳までの雇用確保に加え、65歳から70歳までの就業機会を確保するための高年齢者就業確保措置が企業の努力義務とされた。
ここでは雇用の提供というこれまでの選択肢に加え、70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の創設などの選択肢も提示されている。同改正法は、雇用であれ、業務委託であれ、70歳までの従業員の生活を保障してほしいという政府から企業への要請となっている。
70歳までの雇用は現状では努力義務とされており、その採否は企業に委ねられているが、政府としては年金財政の持続可能性確保のためにも将来的にこれを義務化する方向で考えていることは間違いない。