断捨離を機に始めたシンプルな生き方
おかげさまで、いまは毎日が充実しています。ただ、振り返ってみれば、50歳になった頃は不調を感じていて。周りの環境はほとんど変わっていないのですが、ものごとのネガティブな面ばかりをすくい上げ、それがすべてだと思っていました。
私生活でつまずいたことも影響していたかもしれません。30代と40代で2度の結婚や恋愛を経験したものの、うまくいかず……。この先の人生、自分はずっと一人で生きていくんだな、と思うと不安になりました。大好きな女優の仕事でも、セリフを覚えられるかな、監督の希望にきちんと応えられるかな、嫌われないだろうか、と常に身構えていて。
身体の調子もすぐれず、とくに湿度の高い時期は心がどんよりしてやる気が出なかったり、人ごみの中にいると息苦しくなったり。あの頃の私は、「ネガティブのかたまり」でしたね。
でも4年前、1Kの自宅に無理やり詰め込んだ荷物を断捨離したら、歯車がうまくかみ合い始めたんです。断捨離のよさは、過去の自分とふれ合えること。思い出深い家具や服とひとつずつ向き合いながら、「この服を着ていたときに、こういうことがあったな」と振り返ったり、「これからの自分に必要?」と未来を見つめたり。
一度過去とのつき合いを終えて、新たな一歩を踏み出せるというか。その作業を積み重ねた結果、いま自分が求めることだけをして、シンプルに生きたいと思うようになりました。