小説のタイトルは、「国守の愛」。科学研究者の富士子をヒロインに、危険なウイルスや秘密組織から国を守り抜くため、懸命に生きる男女の姿を描いたSF長篇です。父が海上自衛官だったので、国のために頑張っている人がいることを知ってほしい、という願いを込めました。第1章の92話、第2章の78話、第3章の42話で物語が完結し、今も小説投稿サイトに掲載しています。
ヒロインは、私に少し似ているかもしれません。「私はいつも一人だ。何をする時も私は孤独を選んできた」というモノローグを書きながら、ああ、私も実はそう思っていたんだなと気づいたり。ある意味、自分自身を癒やすためにこの小説を書いているような気がします。
それをなぜ小説投稿サイトで連載し始めたのか、ですか? それは単純に、「ここまで書いた文章のデータが、もしもスマホから消えてしまったらどうしよう」と不安になったからです。(笑)
どこかネット上にデータを残したほうが安心なのかなと思い、検索してたどり着いたのは、誰もが小説を投稿できるサイト。実はそれが人々に公開されて読まれるということも、よくわかっていなくて――。だから、誰かに見せようという気は一切なかったんですよ。
でもある日、ツイッターでファンの方から「小説を書いていますか?」と質問がきて、正直に「はい」と返信したんです。そのやりとりがネットニュースに取り上げられ、大勢の方に読んでいただけることに……。想定外の出来事で、正直まだビックリしています。
でも、面白かったと言ってもらえると素直に嬉しいですし、「もっとこうしたら?」というご意見も参考になります。何より読んでくださった方とSNSでつながることができて、すごく楽しい。おまけにこうして取材までしていただいて。「どうも、すいません」みたいな心境です。(笑)