関心のない層にまで届けることが永遠の課題
自分が(思想的に)潔癖であることは別にいい。でも、自他の境界が溶け、それを他人に投影しだすと非常に危険だ。
相手は自分の思い通りに動かせる存在ではなく、自立した、人格を持った別の存在。
「こうあってほしい、こうであるべきだ、こうじゃないと許さない」
そうやって他人に殴りかかっていく人がネット空間ではよくいる。
書き手として発信する中で、どうやったら関心のない層に届けられるか?が永遠の課題であると感じる。
同系色を濃くすることはできても、違う色は提供できない。
そんな悩みに直面する。
関心のない層に届ける、つまり越境すること。
そのためにどうすればいいのか?に対する答えは私もまだ模索中だけれど、先鋭化し、一ミリでもズレた人を叩き排斥するやり方が、どんどん分断を深めるということはわかる。
もしかしたら対話の余地があったかもしれない。
その可能性を踏みつぶしたくないのだ。
まずは清濁を飲み込んで、そこから歩み寄りたい。
私は、たとえ99考えや思想が違っても、1でわかり合えるなら、心が通じる余地はあると思っている人間だ。
思想が違ったって、意見が合わず一時仲たがいしたって、お茶をすれば些細なことで笑い合えるかもしれない。
そんな「余白」を残していたい。
追伸
たくさんの方に支えられ、9月に初めての著書『死にそうだけど生きてます』を刊行することができました。
11月10日木曜日に、刊行記念イベントを行います。お祝いがてら、お気軽にぜひお越しください。お待ちしております。