頼りにされないことに飽きた

20代30代でやったことがバカだったなあと身に染みてわかってくるのが40代前後だと思います。

30代の半ばぐらいから私はあることに気がつき始めていました。

『成熟スイッチ』(著:林真理子/講談社現代新書)

「私はまったく人から頼りにされていない」

その事実は日を追うごとに大きくのしかかってきて、

「いいかげん、頼りにされないことに飽きた」

という心境にもなっていきました。

すでに直木賞も受賞していましたし、自分を作家として必要としてくれたり「面白いね」と言ってくれる人はいました。しかし、デビューの頃にテレビに出まくっていたイメージのせいか、責任を担う立場や役目と私が結びつくとは思われないようでした。