江戸庶民の人づきあいを表していた「縞模様」

八っつぁん、熊さんは落語の世界では親友の設定になっています。それでも、お互いのプライバシーにはきちんと一線が引かれていました。

『弘兼流 70歳からのゆうゆう人生―「老春時代」を愉快に生きる』(著:弘兼憲史/中央公論新社)

気心は十分、知れているけど「つかず離れず」のいい関係ができていたのです。

杉浦さんによると、江戸っ子にもっとも人気のあった着物の柄は縞模様だったそうです。線が決して交わらない縞模様のデザインは、江戸庶民の人づきあいの基本を表していた、と杉浦さんは述べています。

人間関係でのデリカシーの大切さは、江戸時代ばかりか、普遍的なものといっていいでしょう。

仕事のシーン、家庭を含めたプライベートなシーンで生じるトラブルの多くは人間関係の不具合です。