架空戦記モノと『戦争論』からの影響

2010年、27歳だった私は所謂「保守論壇」に入った。

直接のきっかけは、当時保守系言論人としてすでに界隈では有名人であったHの紹介で、右派系のCS放送局日本文化チャンネル桜(現在はCS事業から撤退している、以下、チャンネル桜)の番組に出演したことである。

私は小学生の時から所謂「自虐史観」に疑問を持ち、憲法9条改正を支持していた。架空戦記モノと『歴史群像』の熱心な購読者であった。

我々の世代は小林よしのり氏の漫画『戦争論』の洗礼をもろに受けたと言われる。同書は1998年に幻冬舎から出版されるや、約100万部に迫る大ベストセラーになった。

当時高校2年生だった私はむさぼるように読んだが、しかし私の政治的右傾の原点は小林氏ではなくそれ以前、つまり90年代に一世を風靡した架空戦記モノ、具体的には檜山良昭氏の『大逆転!』シリーズであった。

簡単にこの内容を述べると、ミッドウェー海戦で日本が勝っていたらとか、ニューギニアのポートモレスビーでマッカーサーを爆殺するとか、日本軍がハワイを占領した勢いで以てアメリカ西海岸に上陸するだのといった内容である。