(イラスト:さかがわ成美)

孫に贈与すればよい?

故人の財産を相続できる法定相続人として当然の権利があるのは配偶者ですが、次に権利があるのは子どもたち。ただし、すでに子が亡くなっていれば、孫に権利が移ります。

多くのご家庭では子どもが健在で孫は相続の対象とならないので、孫に年間110万円ずつ贈与すれば、孫は相続税の「持ち戻し」の対象とはなりません。

こう聞くと、「ならば、かわいい孫に毎年110万円ずつあげよう」と思う方もいるでしょう。しかし注意しなくてはならないのは、110万円の無税贈与は、あげる側ともらう側の意思疎通ができていないと認められないということ。

生まれたばかりの孫の貯金通帳に110万円入れても、孫は意思表示できないため、ただの贈与として贈与税がかかる可能性があるので注意しましょう。