股関節に悩む人は決して少なくない
「変形性股関節症診療ガイドライン2016」によると、日本全国の変形性股関節症の有病率(形成不全レベルも含む)は、1.0~4.3%とされ、少なく見積もっても100~120万人を超える人々が、股関節に問題を抱えているとされます。
一方、潜在的な変形性股関節症の有病者数は1200万人と推定するデータも。また、日本では男性より女性の発症が多く、発症年齢の平均は40~50歳。複数の研究報告を比べると、特に50代に多く発症しているようです。
日本ではもともとの寛骨臼形成不全から股関節症に進行するケースが多いため、遺伝の影響が欧米よりも大きいと考えられます。ちなみに、変形性股関節症の有病率は、欧米よりも日本のほうが低いことが報告されています。
また、日本における人工股関節の置換手術は、年間に約7万件も行われています。
このように、股関節に悩みを抱えている人の数は、思っている以上に多いことがわかります。現代の日本において、股関節疾患は、決して珍しい病気ではなく、むしろ身近な問題なのです。