会社で自己愛を高める

また、社内で声をかけて一緒に飲みに行く相手を、意識して変えてみる。

『人は「感情」から老化する―脳の若さを保つ習慣術』(著:和田秀樹/祥伝社黄金文庫) 

たとえば素直そうな若手に声をかけて、飲みに誘ってみてはどうだろう。今の若手社員は上司に飲みに誘われるのを迷惑がっている、というのが定説となっているが、私はそうとは限らないと思う。

飲みに誘って嫌われるのは、うまくもない安い居酒屋に連れて行って、延々と自慢話を聞かされ、挙げ句の果てに、一人三〇〇〇円のところをお前は二〇〇〇円でいいよ、などと中途半端におごり、それをおごってやったと得意顔するような上司だ。

そういう自分勝手な飲みではなく、「知っておいたほうが役立ちそうな、少々高級なお店を教える」「彼らが知らない、安くておいしい居酒屋に連れて行く」といった親切心から出た動機で、かつ、「相手の話を聞く」という姿勢さえあれば、上司としての人気も出やすいのではないだろうか。

そういった基本さえ押さえていれば、少々の自慢話も許されるようになるだろうし、若手の相談にのったり、仕事について教えてあげることで、また自己愛が満たされる。

教えることは仕事でなくてもいい。麻雀やゴルフなど「課外活動」で尊敬を集めることだって可能だろう。