遺言通り、お墓に2人の時計を
橋田さんのお骨はすべて、愛媛県今治市の、橋田家の菩提寺に納められています。亡くなられた後、熱海のご自宅にお参りにいらっしゃる方たちのために、一部を分骨してご自宅の仏壇に置いておきました。でもやはり、時期が来たら整理しなければということで、分骨も愛媛のお墓に持っていったのです。
岩崎さんと一緒のお墓に入らなかったのは、かつてお姑さんから「あなたはうちの墓に入れない」と言われたからだそうです。橋田さんも、そりの合わないお姑さんや知らない人たちと一緒のお墓には入りたくないと言っていました。
橋田さんは生前、静岡県内にご自分のお墓を用意されていました。そして、ご自分は将来、両親のところに入るけれど、用意したお墓には岩崎さんの時計と自分の時計を一緒に入れてほしいと、ことあるごとに私に言っていました。永遠に、共に時間を刻みたい、ということでしょうか。
橋田さんは心底、岩崎さんに惚れていましたし、実はけっこうロマンチストなところがあるのですね。その約束は、きちんと果たしました。