1989年、『渡る世間は鬼ばかり』が生まれる直前の写真 (写真提供:石井さん)

「杉村先生が大好きだったから、命日を合わせたの?」

亡くなられてちょうど1年目に当たる命日、愛媛県はちょっと遠いので、2人の時計を埋めたお墓にお参りに行ってきました。そういえば杉村春子先生のお墓も近くにあったと思って、お花を持って寄ったところ、文学座の方がいらして「よく命日をご存じでしたね」。そこで初めて、杉村先生と橋田壽賀子さんの命日が同じ日だと知ったのです。偶然の一致にびっくりしました。

「あなた、杉村先生のことが大好きだったから、合わせたの? きっと今ごろ、あの世で話しているんでしょうね。もしかして、私の悪口とか言ってるんじゃない?」と、橋田さんに話しかけました。

ただ、橋田さんを偲びたい方にとって、今治のお墓はちょっと遠いし、静岡県のお墓も行きにくいはず。そこで熱海市長のお力添えもあり、橋田さんが愛した熱海の地に記念碑が建つことになりました。そこなら私も行きやすいので、よかったなと思います。