過労死ラインレベルの残業

この論文では更に2016年の社会生活基本調査を基に、「未就学の子どもを持つ父親の残業時間」を調査しており、調査対象者の69%で仕事関連時間が10時間を超過、12時間を超える割合は36%であったと言及している。

7割の父親が「家事・育児150分」は達成不可能であるどころか、3分の1は12時間を超えていた。

通勤時間を考慮せずすべてを残業時間と仮定すればそれぞれ月40時間と月80時間になり、特に後者は過労死ラインレベルに達する。

実は育児休業法には、小学校就学前の子を養育する労働者が請求した場合、「1か月24時間、1年150時間」に時間外労働を制限しなければならないという規定が存在する。

母親だけではなく父親も利用可能な制度だが、このデータを見れば活用されているとはとても言い難い。

※本稿は、『ポストイクメンの男性育児-妊娠初期から始まる育業のススメ』(中央公論新社)の一部を再編集したものです。


ポストイクメンの男性育児-妊娠初期から始まる育業のススメ』(著:平野翔大/中央公論新社)

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