女優業がすべての幸せの源に
正直、18歳で女優としてデビューしてからずっと、この仕事は自分に向かないと思っていたのです。でもいつからか、確かに私は器用な役者ではないけれど、役にハマったときにはいい仕事ができるのではないか――そこに演じる面白さを感じられるようになりました。
そして今は、女優業から派生する多くの出会いや経験が私のすべての幸せの源になっていると実感しています。
女優になったから着物に興味が湧き、染織の伝統を伝える本を出すことができた。音楽番組の司会をしたおかげでオペラにのめり込み、ナレーションの仕事をきっかけに万葉集を深く学ぶことができた。
人生を豊かにしてくれる数々は、女優業がもたらしてくれたもの。本当にありがたく思っています。
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ヘアメイク:
冨永朋子
スタイリング:
中村抽里
衣装協力:トップス 35,200円、デニム 28,600円/ともにバウム・ウンド・ヘルガーデン(S&T TEL03・4530・3240)・ネックレス(短い順に)79,200円、25,300円、198,000円、198,000円、ブレスレット 63,800円/すべてレスピロ(イセタン サローネ 東京ミッドタウン TEL03・6434・7975)
衣装協力:イヤリング 110,000円/A.T.C.S(ドレスアンレーヴ TEL03・5468・2118)・リング 57,200円/ペリーニ(ドレスアンレーヴTEL03・5468・2118)・シューズ/スタイリスト私物 商品価格はすべて税込です
出典=『婦人公論』2023年5月号
檀ふみ
女優
東京都生まれ。高校在学中に映画『昭和残俠伝 破れ傘』でデビュー。慶應義塾大学卒業。映画、ドラマのほか、美術・音楽番組の司会、古典の朗読など、各方面で活躍。エッセイも好評で、共著『ああ言えばこう食う』は第15回講談社エッセイ賞を受賞。現在、NHK‐FM『N響ザ・レジェンド』に出演中