家族が多かったときは、5枚セットで買うこともありましたが、今は自分用にひとつだけ。私の趣味で選んでいるから、単品で買っても食卓に並べてみると、他の器と雰囲気が合います。この器とあの器を組み合わせようかと考えるのも、楽しみのひとつです。

湯のみ。真ん中の萩焼は姪からもらいました。左は東京駒場の日本民藝館近くの陶器屋さんで買ったもの(写真提供:すばる舎)

 

どんなに気に入っている器でも、割れてしまうことがあります。でも、それは仕方がないこと。欠けて表情が変わることもありますが、少しくらいの欠けなら、それも味だと思って使います。

器好きの姪は金継ぎをしていますが、私はそこまでしません。出会った縁を大切にし、割れてしまったら潔くお別れします。

 

※本稿は、『88歳ひとり暮らしの 元気をつくる台所』(多良美智子:著/すばる舎)
の一部を再編集したものです。


88歳ひとり暮らしの 元気をつくる台所(多良美智子:著/すばる舎)

12万部のベストセラー『87歳、古い団地で愉しむ ひとりの暮らし』の著者、待望の2作目。 米寿にして溌剌とお元気な美智子さん。その秘密は日々の食事に。
調理師免許を持つ「料理のプロ」でありながら、ベテラン主婦としての知恵とアイデアが凝縮された食事づくり。本書ではそれを大解剖。
また、食べるのが大好きな美智子さんは、食事の時間を心から楽しんでいる。お気に入りの器に盛り、晩酌を欠かさない。豊かな食卓のヒントも。