貧困家庭に生まれ、いじめや不登校を経験しながらも奨学金で高校、大学に進学、上京して書くという仕事についたヒオカさん。現在もアルバイトを続けながら、「無いものにされる痛みに想像力を」をモットーにライターとして活動をしている。ヒオカさんの父は定職に就くことも、人と関係を築くこともできなかったそうで、苦しんでいる姿を見るたび、胸が痛かったという。第44回は「好きを仕事にしたら好きなことが嫌いになった」です。
「好きを仕事にすべきか論争」
「好きを仕事にすべきか論争」はたびたび話題になるが、いつも意見はまっぷたつ。平行線を辿っている。私は好きを仕事にしたほうがいい、と思うタイプの人間だった。
1日のうちの1/3は仕事が占めている。週5日、1日最低でも8時間ほど。そんな人生の中心を占める仕事を、好きじゃないことに使うなんて考えられないと思ったのだ。
好きなことを仕事にするなんて絵空事、そんな欲持つだけ無駄、好きなことを仕事にするとむしろ嫌いになるらしい。そんな言葉もたくさん聞いてきたけど、嫌いなことに週40時間もかけることのほうが、よほど苦しく、現実的ではないことに思えた。
ちなみにしらべぇ編集部の調査では、「やりたいことを仕事にしている人の割合」は32.5% だったという。