今シーズンにメジャー6年目を迎え、MVPと日本人メジャーリーガー初のサイ・ヤング賞のダブル受賞が期待されている大谷翔平選手。エンゼルス残留か、それとも…。その去就に世界の注目が集まってきたなか、現地の一流ジャーナリストであるジェイ・パリスさんが追った大谷選手メジャーデビューの軌跡を振り返ります。パリスさんいわく「エンゼルスファンのあいだで、大谷翔平の人気はもはや不動のもの」だそうで――。
球団とメディアをつなぐチームスタッフ
エンゼルスファンのあいだで、大谷翔平の人気はもはや不動のものとなっている。
エンゼル・スタジアムで名前を呼ばれ、打席に大谷が向かうときに聞こえてくる歓声は、ときにマイク・トラウトやアルバート・プホルスに向けられるものより大きいことがある。
先発投手としてマウンドに大谷が上がれば、やはり観客は大きな盛り上がりを見せる。大谷の一挙手一投足を見守るのは、アメリカのメディアだけではない。ざっと見て20人以上はいる日本人記者が、毎日大谷の状況を報道しているし、韓国、中国、台湾からも取材が来ている。
取材された内容は、それだけ多くの国の言葉に通訳されて発信される。水原一平が大谷の通訳であり右腕でもあるのは広く知られるところだが、メディアはマイク・ソーシア監督や大谷に関連した情報の多くを、グレース・マクナミーを通して得ている。