101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。

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『人の欠点には目をつぶり、いい面だけを見るようにする』

かつて夫から、「人の欠点は、見えても見るな。いいところだけを見るようにしろ」と言われたことがあります。世の中には、欠点のない人なんていません。どんな人にも、いいところもあれば、悪いところもあります。

自分だって欠点がたくさんあるのだから、お互いさま。もし人の悪い点に気づいたら、心のなかで「自分にも同じような面があるかもしれない。気をつけよう」と、自らへの戒めにすればよいのです。

 

んな人にも、いいところもあれば、悪いところもあります(写真提供:photo AC)

 

「まぁ、人はいろいろだし。それにあの人は、こんないいところがあるのだから」と、その方の美点だけを見るようにすると、イライラしないですみます。

逆に人の欠点を気にし始めると、イライラの種はつきません。すると腹が立つことも多く、日々おもしろくない気分でいることになります。

そう考えると、「人の欠点は、見えても見るな。いいところだけを見るように」というのは、人づきあいのコツであると同時に、幸せに生きるための極意と言っていいかもしれません。

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