101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活 のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「 簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがい っぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社) から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
<100歳の100の知恵 73>
『明るく生きるには欲張らないことが大切』
しかめっ面で過ごしても人生、笑って過ごしても人生。だったら、笑って過ごしたほうがいい。私はずっと、そう思って生きてきました。
あれこれ悩むのと、明るく生きるのと、どちらが幸せになれるのか。言いかえると、どちらが人生にとって得か。そう考えて、私は自分にとって得なほうを選んだのです。
そして、「明るく前向きに生きよう」と自分に言い聞かせ、自分でそういうふうに仕向けてきました。明るく生きるには、欲張らないことです。足ることを知れば、そうそうつらくはなりません。
私は、なにもいらないと思って生きてきました。そして、日々の暮らしのなかでどうしたら自分を楽しませられるかを、考えてきました。
おいしいものを食べる。日々の暮らしのなかで小さな美しさを見つける。そんなささやかなことが、自分を楽しませ、生きる喜びを与えてくれました。