牧田先生「寝る前の時間を利用して20〜30分間、筋肉トレーニングやストレッチをしています」(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
「医者の不養生」という言葉がありますが、多忙ながらも自らの健康をしっかりと保っている医師が長年続けている習慣があるとしたら、ぜひ知りたいですよね。そこで今回は、生活習慣病や肥満治療のためにクリニックを開業し、延べ20万人以上の患者を診ている糖尿病専門医の牧田善二先生が行っている健康術を紹介します。牧田先生「寝る前の時間を利用して20〜30分間、筋肉トレーニングやストレッチをしています」と言っていて――。

勤務先まで往復30分の散歩

私の専門の糖尿病は、いわば一生付き合う病気です。自ずと患者さんたちと私の付き合いも長くなります。そんななかで、私自身の健康維持のために、彼らから教わることも多いのです。

私のクリニックでは、患者さんに「リブレ」という自動的に血糖値が測定できる機器を使用してもらっています。

それによって、「いつ、どんなものを食べると血糖値が上がるか」がしっかり把握できるからです。

また、運動が血糖値に与える影響もよくわかります。

血糖値を上げないためには、炭水化物を食べた後、すぐに運動するのが効果的です。

患者さんたちは「どんな運動が一番いいか」をいろいろ試し、私に報告してくれるため、この点でも参考になることが多いのです。

患者さんから勧められ、私も挑戦してみた運動に「12秒スクワット」というものがあります。これは、普通のスクワットよりもゆっくりと膝の曲げ伸ばしを行ない、1回に12秒かけるというもの。太ももへの負荷が大きく、10回もやればかなりの運動量になります。

患者さんの実験によると、食後に15分間ウォーキングするよりも、12秒スクワットを10回やったほうが血糖値を抑える効果が高かったそうです。