庭のハンモックは犬もお気に入り。しばしば占領されてしまいます。(写真:『フランス・ブルターニュで見つけたお金をかけない豊かな暮らし』より)
1982年、年5週間(年間30日間)の有給休暇を法制化したフランス。有給取得率も100%に近いと言われるほど高く、「バカンス大国」として、国民は豊かな暮らしを謳歌している印象があります。一方、フランス・ブルターニュ地方で生活しながら、田舎暮らしをブログで発信しているのが旅行ジャーナリストのシャルバーグ八千代さん。八千代さんいわく「定年を過ぎてまで働くフランス人はほとんどいない」だそうで――。

年金受給年齢の引き上げに紛糾

2022年末から23年にかけて、フランス政府が年金制度の改革に着手し、巷では連日反対デモやストライキが巻き起こり紛糾しました。大ストライキが12回以上もあり、主にマクロン大統領のやり方への反発が大きかったようです。

改革のなかで最も注目を集めたのが、年金受給年齢の引き上げです。それまでの62歳を64歳に。数年長く働かないと年金生活に入れない。これが大反対の理由でした。

フランスの年金制度は複雑なことで有名です。年金受給年齢も、日本ならほぼ一律ですが、フランスは業種によっても大きなばらつきがあります。