飲み屋のママとの出逢い
その頃だった。真衣さんが友人と飲み屋に行き、そこのママと出逢ったのは。その店は客層が良く、自由な発想の明るい男女客で繁盛していた。ママに気に入られた真衣さんはその店で週2回、アルバイトとして働くようになった。
真衣さんから「できない」事情を知ったママは、常連客で「試し」に協力をしてくれる善良な男性を次々と紹介していった。
「達人と言われている人もいましたけど、いろいろしてもらったわりには、あんまり気持ちいいとは思えなくて、他の人と変わらなかったです」
真衣さんは気まずそうな顔をしながらも、小さく笑った。
「達人」と思い上がっている人に達人はいないのでは? と私は思わず笑ってしまった。
真衣さんは苦笑いを一瞬してから、遠慮がちに続けた。
「体位を変えたり、いろいろ試してみても、やっぱり指1本さえまともに入らない。」
メロンのように大きな胸に惹かれてか、「試し」を挑(いど)んでくる男性には不自由しなかった。
胸を見ながら「ほんとうにダメなの?」「俺が試してあげようか?」と皆、興味津々の顔で聞いてくる。その男性たちも一生懸命取り組んでくれたものの、やっぱり進展はなかった。
「相手の人が、『力を抜いて』ってよく言ってました。それでもなかなか……。その力の抜き方も私にはよくわからなくて。ある程度のところまでいくと、どうしても固まっちゃうんです。私のなかの感覚で、固い壁みたくなっちゃって、それから先はどうしても進めないんです。相手の人は皆、一生懸命進もうとしてくれるんですね。でも、どうしても……」