ビジネスパーソンは自分の仕事の未来を想像する

たとえばEUは、2035年にはガソリン車の発売を禁止する、ハイブリッド車も認めない、と決定しています(ただし再生可能エネルギー由来の水素と二酸化炭素で作る合成燃料に限り、エンジン車も容認)。

つまり自動車メーカーは、12年後に向けて今から電気自動車を開発しておかなければ、将来的に大打撃を受けてしまいます。そのための準備を始めておかないといけません。

『池上彰が大切にしている タテの想像力とヨコの想像力』(著:池上彰/講談社)

ビジネスパーソンもひとりひとりがそれぞれの年齢に応じて、今後仕事をする上で自分の仕事の未来はどうなるだろうか、自分が所属している会社の未来はどうだろうかということを、常に考えておく必要があります。

25歳の人は、30年後は55歳で、まだまだ働き盛りです。転職していなければ、今の会社で自分はどういうポジションになっているだろうか、仮に経営層へ昇進していたとして、会社はどういうふうになっているだろうかと考えてみる。

あるいは、現在「この会社に入ったのは失敗だったな」と思っているとしたら、これからどういう職業に転職して、その職業は30年後どうなるのだろうかと想像してみる。

そういう癖を身につけておくといいでしょう。

「そんな先のことはわからないよ」と思うのはもっともです。しかし「そんな先のことを想像したって、意味がないよ」と思うのは間違いです。