安心して逝きたいけれど
仲間と近況を話し合っていると、みなさん、いよいよ体の不調で趣味まで奪われている様子。読書好きの友人は目が悪くなってもうだめだと言っているし、ピアノが大好きな先輩も、指が動かないのでもう弾けないと嘆いています。
そんなわけで、90代に入った私たちは、ほとんど一日中家にいてテレビを見ているようです。テレビドラマや芸能番組は、笑わせたり感動させたりして楽しませてくれて、テレビもまたいい道具。それに、世界中のいろいろなことを報道してくれます。
昔の大本営発表のように、都合のいいことだけでなく、事件も事故もありのまま報道してくれているように思います。
戦争という苦難の中を生きた年代の私たちは、つらかったけど、頑張ってきたおかげで、平和で豊かな日本を見て、安らかに死んでいけると思っていました。
「終わりよければ、すべてよしだね」なんて言い合っていたのに、それが「長生きは、するもんでね」になったのは、心配なニュースばかり目にするようになったからです。