子ども時代をタイで過ごした後、一度は歌手を諦めて就職活動を続けるも、夢を捨てきれずに芸能の世界へ踏み込んだ新妻聖子さん。2024年2月ミュージカル『ボディガード』の再々演が決定。ふたたびレイチェル・マロンを演じる意気込みと、これまでの道のり、ご両親のこと、現在の子育てや家庭生活について聞きました。(構成◎上田恵子 撮影◎本社 奥西義和))
高校卒業まで7年間、タイのバンコクで過ごして
父の仕事の都合で、11歳の時から7年間、タイのバンコクで過ごしました。それまで私が暮らしていたのは、愛知県稲沢市祖父江町というのどかな田園風景が広がっているところ。
田んぼでしか遊んだことがなく、都会の名古屋も遠くてめったに行けず、英語ときたらABCすらわからない。そんな子どもが「せっかく海外へ出たのだから異文化を学びなさい」と現地のインターナショナルスクールに入ることになったわけですから、それなりに大変な思いをしました。
頑張って1年飛び級して高校を卒業したのちに日本へ戻り、上智大学に入学。両親はその後もインドネシア、韓国と海外赴任が続き、現在は再びタイに駐在しています。父は76歳の今も現役ですが、先日話をした際、さすがにそろそろ引退だと言っていましたね。
タイは人々が明るくて、とにかくエネルギッシュな国でした。とりわけ素晴らしいのが食! ライブ感があると言いますか、「ご飯を食べる」というアクティビティ自体に活気があるんです。しかも屋台をはじめ、どこで何を食べても美味しい。食べることが大好きな私にとって、本当に最高の環境でした。
私は自他ともに認める根アカな性格なのですが、ずっと「私がポジティブなのはタイにいたからだ」と思っていたんです。でもこの前、地元の友達と久しぶりに会った際に「えっ、聖子ちゃんは幼稚園の頃からそんな感じだったよ?」と言われて。どうやらもともと明るかった性格が、タイでの生活で増幅しただけだったようです。(笑)