日本生活習慣病予防協会の発表によれば、いわゆる肥満に該当する人は男性 の33.0%、女性 22.3%(2020年12月発表)に。健康管理維持を考えれば、肥満対策はもはや日本人全員の課題とも言えそうです。一方、テレビでも人気の谷本道哉先生は70歳まで働けるカラダを維持することを目標に掲げ、各種の運動や体操を提唱してきました。その先生いわく、世界の全死亡のうち約10%が、実は運動不足に起因しているそうで――
運動が健康に良いと分かっていても
「ちょっとは運動しないとなぁ」「何か体を動かすことをしなきゃ」
多くの人がそう思っていることでしょう。運動が健康によいこと、またスタイルを改善して見た目も若々しくすることは誰もが認識している、いわば常識といえます。
運動不足は、心筋梗塞や脳梗塞、糖尿病などの生活習慣病を誘発します。また、高齢期の虚弱、体力低下による要介護の一要因にもなっています。
私たち人間は「動物」。文字どおり、動いていないと病気になってしまうのです。しっかりと動いていてこそ、元気で健康な状態を保つことができるのです。
また、運動が見た目を若くしてくれることも経験的に明らかですよね。
中年以降になっても余分な脂肪のついた太鼓腹にならず、筋肉がしっかりついたカッコいいスタイルを維持している人は不思議なほど年をとりません。理由として、運動によるホルモン応答や抗酸化能力の向上などが関係していると考えられます。
健康にも若々しさのためにも運動がよい。分かっているはずなのに、残念ながら運動をしっかり行っている人というのは極めて少数派です。
厚生労働省の調査によると、1回30分以上の運動を週2回以上、1年以上継続して行っている人は20〜50代では20%程度しかいません。
そして、日常の活動量の目安となる「歩数」は90 年代と比べて1000歩ほども減っています(図1)。運動をしていないというだけでなく、日常生活でもほとんど体を動かさなくなっているのです。