ストレスを抱えた生活で疲れがたまり、「いつも体が重い」「寝ても寝てもだるく、疲れがとれない」という方も少なくないのでは。医学博士で日本リカバリー協会代表理事の片野秀樹氏いわく、「休むこと=寝ること」ではないそう。疲れとは何か・正しい休み方について、片野氏が著した『休養学』より一部抜粋してご紹介します。今回は、疲労を打ち消すための“活力”について。休んだ後すぐに活動を始めるのではなく、その前に活力を加えることで、50%の状態から100%に戻せるとのこと。「超回復理論」のように、あえて軽い負荷をかけると活力も高まるそうで――
あえて、自分に負荷をかけてみる
活力を高めるには、あえて自分に何か負荷をかけることだとお話ししました。
「疲れが取れきっていないのに、もっと疲れることをするなんて、とんでもない」
そう思うかもしれません。しかし適切な負荷をかけたあとにもう一度しっかりと休養の時間をとると、ストレスをかける前よりも体力がつくわけですから、試す価値は十分あるはずです。
もとの体力が10だとすれば、あえて負荷をかけることで一時的にパフォーマンスが7や8に落ちても、回復時には体力が11になっている。そして次の休日にまた同じことをすれば、回復するころに体力は12になっている。こうして基礎体力が徐々に上がってきます。
もちろん現時点で疲弊しきっているならば、まずはいったん疲労をゼロに近づけるようにすることが先決です。
それ以上の負荷をかけたらそれこそ大変な負荷になってしまいます。いきなり無理はしないでください。
疲れが残っているけれど多少は余裕があるなというときや、まだ疲れが取りきれていないけれど少しは何かやってみてもいいと感じたら、軽い負荷をかけてみてください。それから十分に休養するのです。
疲れたら、休みつつ、負荷をかける。
これが活力を高めるうえでのポイントです。繰り返しになりますが、休養だけでは50%程度しか充電できなくても、活力を加えて満充電に近いところまでもっていけるのです。