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総務省が公表した資料「統計からみた我が国の高齢者」によると、2024年の日本の総人口に占める65歳以上の割合は、200の国と地域の中で最も高いそうです。依然として高齢化が進むなか、精神科医・和田秀樹先生によると、「女性はむしろ年を取ってから意欲的になったり、人付き合いが盛んになったりする」とのこと。そこで今回は、78歳で女優や歌手として活躍する中尾ミエさんとの共著『60代から女は好き勝手くらいがちょうどいい』から一部を、お二人の対談形式でお届けします。

人生は後半からが勝負

和田:どの年代のときに勝ち組だったかで、その人の生き方もかなり変わりますよね。20代はすごい勝ち組だったのに年を取るほどに落ち目になる人と、若い頃はそうでもなかったけれども年を取るほどに人気が出る大器晩成型みたいな人もいる。

どっちがいいかというと、やっぱり私は後者じゃないかなと思いますね。私も27歳くらいの頃に出した受験に関する本がベストセラーになったのですが、その後はあまり冴えなくて、結局、60代に入ってから『80歳の壁』という本がものすごく売れて、仕事が急に増えました。

こういう人生のパターンのほうが、きっと生き残りやすいのではないかなと思います。だから若い人たちも今すぐ売れたいとか、早く出世したいとか、あくせくするよりも、年を取ってから成功したほうが、その後の人生も長いから得だよと言ってあげたいですね。

中尾:でも、若い頃の特権というものもありますでしょう。今さえよければいいと思うのが若さでもあります。「そのときはそのとき」というように、年を取ったときのことなんかまず考えません。私も人生の後半について、切実に考えるようになったのは、60代になってからでした。