101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが綴った、毎日の小さな喜びを大切に、前向きに悔いの残らない時間を過ごす生き方。エッセイ集『101歳。ひとり暮らしの心得』(中央公論新社)から幸せな暮らし方の秘訣を紹介します。

<生きていることが楽しくなる秘訣>

明るく生きるには欲張らないことが大切

しかめっ面で過ごしても人生、笑って過ごしても人生。

だったら、笑って過ごしたほうがいい。私はずっと、そう思って生きてきました。

あれこれ悩むのと、明るく生きるのと、どちらが幸せになれるのか。言いかえると、どちらが人生にとって得か。そう考えて、私は自分にとって得なほうを選んだのです。

そして、「明るく前向きに生きよう」と自分に言い聞かせ、自分でそういうふうに仕向けてきました。

(写真:stock.adobe.com)

 

明るく生きるには、欲張らないことです。

足ることを知れば、そうそうつらくはなりません。私は、何もいらないと思って生きてきました。そして、日々の暮らしのなかでどうしたら自分を楽しませられるかを、考えてきました。

おいしいものを食べる。日々の暮らしのなかで小さな美しさを見つける。

そんなささやかなことが、自分を楽しませ、生きる喜びを与えてくれました。

吉沢久子さんの連載「101歳。ひとり暮らしの心得」一覧