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現代の生きる糧として注目されている「推し活」。もともとは若者を中心に使われる言葉でしたが、昨今は「幸福寿命」の観点から高齢者に推奨する動きが活発になっています。そんな「シニア推し活」について、高齢者医療の第一人者・和田秀樹が解説した著書『60代から100歳以上まで 人生が楽しくなる「シニア推し活」のすすめ』より、一部を抜粋してご紹介します。

推し活による疑似恋愛が若返りをかなえる

第二の人生を楽しむためには、恋することをおすすめします。なぜなら、恋愛には若返りの効用があるからです。

例えば、早くに夫を亡くし、未亡人として歳を重ねてきた女性が、恋をすると急に若返ることがあります。きれいになり、周囲の人からも「もしかして恋をしているんじゃない?」と驚かれることも少なくありません。

女性でも男性でも、恋をすると髪型や服装に気を遣うようになり、おしゃれになって、まずは見た目が若返ります。すると、自然と気持ちも若々しくなっていきます。そして、意欲的になり、さらには体を動かすことも苦でなくなります。

歳を重ねてからの恋愛には、このようにさまざまな面で、良い影響がたくさんあるのです。

しかし、現実問題として、夫や奥さんとは別の新たなパートナーを見つけるのは倫理的によろしくなく、家族や親の介護、さまざまな事情で離婚に踏み切れないという方が多いことも承知しています。むしろ、日本ではそういった方が大多数でしょう。

そんな方におすすめしたいのが推し活です。「残りの人生、恋愛なんてできそうにない」とか「こんなに歳を取って、好きな人に出会えるとは思えない」「いまさら楽しいことは諦めている」という方が、第二の人生をより充実したものにするために、推し活は大いに役立つのです。