歌手、俳優の美輪明宏さんがみなさんの心を照らす、とっておきのメッセージと書をお贈りする『婦人公論』に好評連載中「美輪明宏のごきげんレッスン」。6月号の書は「色気」です。
本物の色気とは
ときどき、「色気がないと言われます。どうしたら色気が生まれるのでしょう」と聞かれます。
逆に私が「あなたは、色気とはどんなものだと思っているんですか?」と問うと、「思わず男性がクラッとする魅力」といった答えが返ってくることも。
私に言わせれば、それは「色気」ではなく「エロ気」です。色気という言葉に、多少性的なニュアンスがあるのは事実でしょう。でも私が考える本物の色気とは、「色香が漂う人」のことです。
色香とは、その人から自然とにじみ出る優美さや気品、風情、愛嬌などのこと。
たとえば男性に肩をポンと叩かれたとき、振り向きざまに「何よ!」と言うのではなく、にっこり微笑んで「な〜に?」とやさしく返せるかどうか。「この人は自分に恥をかかせない人だな」と感じさせる上品なやさしさを言うのです。