事件、事故、自殺、または孤独死などが原因で、人が亡くなった不動産を指す「事故物件」。古典エッセイスト・大塚ひかりさんは、古典文学に登場する曰く付きの邸宅を長年ファイリングするなかで「事故物件で不幸に遭う人がいる一方、大きく運が開ける人もいる」ことに気が付いたそうです。そこで今回は大塚さんの著書『事故物件の日本史』より一部引用、再編集してお届けします。
「大島てる」というサイト
「大島てる」というサイトをご存じだろうか。事故物件を地図上に掲載したウェブサイトで、運営者の祖母の名前を取っていると言い、運営者はイベント・執筆活動などもこの名で行っている。
サイトの存在を知った時、激しくテンションが上がったものだ。
なぜなら、古典文学には曰く付きの邸宅、言わば事故物件がけっこうあって、私はそれを長年ファイリングしていたからだ。
平安中期の『源氏物語』にしても、その舞台は当時の事故物件的な屋敷がモデルになっている。
有名な神社仏閣なども、非業の死を遂げた人を祀っていたり、不幸が続いた家をそのまま寺にしたりといった、言わば事故物件であることが少なくない。
日本には古戦場跡も多く、歴史のある町ほど、事件の現場となった場所も多い。
古い歴史を持つ建造物は、すべてが事故物件と言っても過言ではない。