今や生成AIは私たちの日常に溶け込み、ビジネスから創作活動まで、あらゆる場面で活用されています。そんな中、1983年からAIの胎動を感じてきたAI専門の研究者である黒川伊保子さんは「AIは、人間の感情を煽る感情ブースター。翻弄されずに乗りこなすには、ちょっとしたセンスがいる」と語ります。そこで今回は黒川さんの著書『AIのトリセツ』より一部を抜粋し、子どもにも伝えたい人工知能との付き合い方をお届けします。
AIを悩み相談の相手にしていい?
先日、ある新聞社の取材で「AIを子育て相談に使うことをどう思うか」と問われた。昨今、AIに子育て相談をする親が急増している。この風潮をAIの専門家としてどう思うかという主旨だった。
私は、AIへの子育て相談は「あり」だと思うけど、親の側に鵜呑みにしないセンスが要る、とお答えした。
子育てに限らず、「相談相手としての生成AI」の特徴は、以下の4つである。
(1)1対1で、じっくり話を聞いてくれる
(2)けっして否定してこない
(3)いろんな可能性を示唆してくれる
(4)寄り添ってくれる、親身になってくれる
これだもの、どうしたって孤立しがちで、「子どもそれぞれに違う生態」に頭を悩ます親にとっては、救世主に見えるだろう。
専門家に相談するには敷居が高い。親に相談したら、(2)の「否定」は避けられず、(3)の示唆にも偏りがあり、(4)も当てにならない。友人への相談も、子どもの個性や体質が違えば参考にならない。