(写真はイメージ。写真提供:Photo AC)
漫画『テルマエ・ロマエ』を手がけ、漫画家や文筆家、画家など数々の表現方法で活躍するヤマザキマリさん。ヤマザキさんはイタリア人との結婚を機に、エジプト、シリア、ポルトガル、アメリカなどの国々で生活を送ってきました。そこで今回は、ヤマザキさんの著書『新版-地球生まれで旅育ち-ヤマザキマリ流人生論』より一部を抜粋し、狭い世界にとらわれないヤマザキさんの生き方に迫ります。

「マンマこそ全て」な感性はどうやって作られるのか

世間ではイタリア男といえばマザコン、というイメージがはびこっているようだが、私からして見ると母親離れのできないイタリア人は決して男性だけに限ったことではない。イタリアでは、何歳になっても母親離れができていない女性もたくさんいる。

母親への強い思いはもはや彼らにとって特殊な“コンプレックス”などというものではなく、人間として当然のことであり、恥ずかしがることですらない。むしろそんな自分たちを非難する、親との蜜月関係を築けない人間を「かわいそうに」くらいに思っている。

そのような徹底的な親子の絆を築くのは、まさに母親の役割だ。少なくとも自分の夫や義妹を見てきた限り、彼らの母親は彼らに自分なしの人生など有り得ない、という方向性の育て方をしているように感じられる。

あなたたちはママの生き甲斐、あなたたちがいるからママは幸せ、という子供への依存ともいえる愛情が丸ごと露わになった母親の態度が、いつまでたっても離れられない親子関係を作り上げているように感じられる。子供たちも自分たちが頼りにしている母親に悲しんでもらいたくないから、とことん自分たちの愛情を露呈するようになる。