20代から友情を育んできた話芸のプロ、さだまさしさんと笑福亭鶴瓶さんをお招きして。鼎談前の控室で「もう、2人でしゃべりすぎてしまった」というゲストたち。清水ミチコさんが「じゃあ、すでにお疲れですね」と水を向けた途端、立て板に水とばかりにおしゃべりがはじまって――(撮影=木村直軌 構成=本誌編集部)
<前編よりつづく>
ある青春の旅日記
鶴瓶 もともと俺がファンで、この人に手紙書いて出会ったわけやけど、俺が売れてないとか、この人はそんなん全然思わへんからね。でも、この人が売れてるから傍にいてるみたいなのも嫌やし、ちゃんと追いつくことが大事やと思った。だから名前がだんだん近づいていけるっていう感覚はあったね。
さだ そうだったんだ。僕自身は、会ったらなんだか気が合うし、同じことに興味持ってるし、僕に好意を持ってくれてるし。(笑)
清水 そういう出会いは、なかなかないですよ。
さだ これは30代のころの話だけど、ある朝突然上高地に行きたくなって。なのに、間違えて東海道新幹線に乗っちゃった。「まあ、名古屋で降りればいいや」なんて思ってたら寝過ごして新大阪。行き先を変えようと時刻表をバッて開いて、それが丹波篠山だったので向こうで一日遊んで、新大阪まで戻って翌朝ボーッとお茶飲んでたら、そこに鶴瓶ちゃんが現れた。
清水 うわー、すごい偶然。
鶴瓶 朝日放送の向かいにあったホテルプラザやな。しかもそこに、もんたよしのりがきたんや。
さだ 僕、子どものころに空を飛んだって話をしたんです。鶴瓶ちゃんは「アホ。飛ぶかい」って言う。
鶴瓶 もんたよしのりは俺より1つ上でね。めっちゃいいやつで。
さだ (もんたさんの声色で)「俺、さだやったら、ほんまに飛んだ思うわ」。
清水 似てる!(笑)