料理研究家の土井善晴さんが2016年『一汁一菜でよいという提案』を上梓され、30万部を突破。「永遠の悩みから解消された」「料理が好きだったことを思い出した」など多くの反響が寄せられました。家庭料理界の救世主となった土井さんが、一汁一菜という思考に至る人生の紆余曲折を記したのが、初の新書『一汁一菜でよいと至るまで』。インタビューでは、土井さんの影の立役者であるご家族とのこと、家庭料理を担う人々を追い詰める重責とは何か、など多岐にわたって伺いました。(構成◎岡宗真由子)
前編「「一汁一菜でよい」と提案したのは、「家庭料理を担う人」がレシピ本で追い詰められているから」はこちら
プレッシャーから解放されて
この3月に、レシピを考え、テキストを書き、司会を勤めた番組『おかずのクッキング』(テレビ朝日)の放送が終わりました。父・土井勝から引き継いで34年、父と合わせ48年の長寿番組でした。この番組に鍛えられたと思います。感謝しかないのですが、いざ終わってみたら、家の普段の料理が楽しくなったんです(笑)。
料理を純粋に楽しめるようになったんですね。なにかしらのプレッシャーを感じていたんだと思います。で、自由にやってみると、新しいお料理が自由自在に生まれてくるのです。