医者から “余命”を告げられた方のご家族に向けて伝えたいこととは(写真提供:Photo AC)
重い病を抱えた患者や、その家族の身体や心などに生じるつらさをやわらげ、なるべく生活の質を維持するためのサポートを意味する「緩和ケア」。1990年には全国で5施設しかなかった緩和ケア病棟も、2017年には394施設にまで増加(「日本ホスピス緩和ケア協会」調べ)するなど、日本でも普及が進んでいます。一方で奈良県立医科大学の四宮敏章先生がYouTubeチャンネルを開設、緩和ケアについての解説動画を配信したところ、多くの反響が寄せられています。その四宮先生、医者から “余命”を告げられた方のご家族に向けて、伝えたいことがあるそうで――。

もし、大切な人が余命3カ月と告げられたとしたら

医師から、余命3カ月と言われるケースは、大きく分けて2種類あります。

ひとつは、進行がんが見つかり、何もしなければ3カ月というケース。もうひとつは、ずっと抗がん剤治療を続けてきて、これ以上の抗がん剤治療が困難となり、患者さんが人生の最終段階に差し掛かったときです。

前者の場合、これから治療を行えば、余命が変わることは十分考えられます。今回お伝えするのは後者の場合で、患者さんが人生の最終段階に差し掛かったと思われるときのご家族に対する、私からのアドバイスです。