準備その1「患者さんとこれからのことを話す」

いろいろ考え方はあるかもしれませんが、もし患者さんが余命を知らされていない場合、私は本人にもお伝えしたほうがよいと思っています。余命3カ月の場合、患者さん自身が元気な場合が多く、実感はわかないかもしれません。

第1章で説明したように、実際に元気がなくなってくるのは亡くなる数週間くらい前だからです。したがって、まだ元気なうちに、患者さんご本人と残された時間をどう過ごしたいかについて話し合うことはとても大事です。

余命をお伝えした場合、後悔を残さないためにどんなことがしたいのか、最期をどこで過ごしたいのかなど、患者さんが自分自身で決めることが可能となります。

残された時間でどう生きていくことが自分らしく生きることなのか、ご家族にどうサポートしてもらいたいのか、ぜひ患者さんと率直に、これからのことを話し合ってみてください。

患者さんご本人と残された時間をどう過ごしたいかについて話し合うことはとても大事なこと(写真提供:Photo AC)