3カ月よりも実際の余命が短くなることもしばしば起こる

まず知っておいてほしいことは、治療中に告げられる余命とは確定的なものではないということです。

余命の算出は中央値のことが多く、数字としてはあいまいなことが多いのです。しかし、治療が終了し、終末期に差し掛かってきたと思われるこの時期になると、3カ月の余命が1年や2年に延びる例は少ないです。

逆に、3カ月よりも実際の余命が短くなることはしばしば起こります。臨床経験豊富な医師なら比較的正確に余命を予測することができますが、慣れていない医師もいるので、その場合、予測と現実が大幅に変わってしまうこともあります。

『また、あちらで会いましょう』(著:四宮敏章/かんき出版)

また、急変という事態も往々にして起こりえます。したがって、3カ月と告げられた余命が、数週間、場合によっては数日ということも実際にはありえます。

ですから、治療が終了し、終末期に差し掛かったと思われる患者さんがご家族にいるあなたには、「最大限の希望を持ちながら、しっかりとした準備をする」ということを考えてほしいのです。

それでは、大切な方が終末期に差し掛かっているあなたは、具体的にどのような準備をしていけばよいのでしょうか。