「子どもが洋服を着るのを嫌がる」「聞き分けがない」「パニックを起こす」それは単なるわがままではないかもしれません。特別支援教育のエキスパートである小嶋悠紀さんは、発達障害・グレーゾーンの子どもたちへの「声のかけ方」「接し方」を考えながら、これまで2000人を超える人の支援に関わってきました。その小嶋さんは「未学習こそが、問題行動の原因」と言いますが――。
問題行動が起きやすいのは「未学習」の状態だから
発達障害の子どもが、「望ましくない行動」や「問題行動」を起こして周囲を困らせるのはなぜでしょうか。
「発達障害があるからでしょう」という答えが返ってきそうですが、その考え方はあまりにも大雑把すぎます。
子どもは、発達障害によって、ほかの子が自然に習得することをなかなか身につけられないから、問題行動を起こしてしまうのです。
言いかえると、発達障害がある子は、望ましい行動を学べていない「未学習」の状態になりやすく、その未学習こそが、問題行動の原因なのです。
ですから、問題行動を解決したいと思ったら「発達障害だから」ですませてはいけません。それでは単なる思考停止です。
原因である未学習を解消(あるいは、予防)する方法を考えるべきなのです。
では、なぜ子どもが未学習になりやすいかというと、理由は2つあります。